発散と収束のあいだ ~ダイコンスクラム~

働き方改革?生産性向上?そんなことよりまず全員が幸せに働ける世界にしよう。「チーム」「信念」「感情」この3つの大切さを日本中に広めたい。思考と感情をダンプし、自分の輪郭を明らかにする。心理的安全性を高める哲学とか解説ポエムとか、アジャイルなマインドとか

ゴールデンサークルの「How」は「どうやって」じゃない

はじめに

今回のテーマ

は、「ゴールデンサークルの『How』は『どうやって』じゃない」です。

 

以前書いた記事の、正式版です。

diver-conver-scrum.hateblo.jp

 

「ゴールデンサークル?なにそれ食えんの?」という方から

 

「ゴールデンサークルの良さが理解できていないんだよな」という方や、

 

「良さを伝えたいのに理解してもらえない」


という方に、是非お読みいただきたいです。

 

 

骨子はこんな感じ。


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今回扱うサイモン・シネック氏の「ゴールデンサークル」は、

 

プロダクトづくりや、人を動かすには『Why=志』が必要、という趣旨の主張です。

 

#世のプロダクトオーナーは、全員心に刻んでおくべきだと思う

 

「知らないよ」という方は、是非一度視聴してみてください。

 

www.ted.com

 

 

このゴールデンサークル、とても大切なことを言っていると、ぼくは思います。

 

一方で、『How』に関する勘違いから、人と解釈が噛み合わない、良さが伝わらないことがありました。

 

今回は、「要素を足したゴールデンサークル」を通じて、ゴールデンサークルの理解を深められたら、と思います。

 

この記事で伝えたいこと

は、3つです。

 

「そもそもゴールデンサークルって?」

動画で述べられている趣旨を、要約してお伝えします。

 

「どんな誤解が生まれるの?」

ものづくりが盛んな日本ならではかもしれない、

ぼくの周りで起こりがちな誤解を共有します。

 

「誤解を減らすために要素を足してみよう」

よくある誤解を踏まえて、

より良いゴールデンサークルのカタチをご提案します。

 

 

ゴールデンサークルのマインドをみんなで理解して、

 

世の中の全てのプロダクトが想いに溢れますように!という心意気です。

 

「そもそもゴールデンサークルって?」

人は「何を(What)」ではなく「なぜ(Why)」に動かされる

 

動画中に繰り返される一節です。

 

その具体例として、以下の対比の話などをされています。

 

一般的な企業の訴求

「我々はこんな素晴らしいコンピュータを作りました。」(What=コンピュータ)

「他社製品と違い美しく簡単に使えて、親しみやすいコンピュータです。」(How=美しく簡単に使えて、親しみやすい)

 

Appleの訴求

我々は世界を変えるという信念でプロダクトを作っています。」(Why=世界を変えたい)

美しく簡単に使えて、親しみやすい製品です。」(How=美しく簡単に使えて、親しみやすい)

「こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。」(What=コンピュータ)

 

Appleの訴求の方が、ちょっと欲しくなる、心が動きますよね?という主張です。

 

人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされる。

 

ゴールデンサークルの大枠は、こんな感じです。

 

動画ではもっと良い説明も良い事例も話されているので是非、動画全編を視聴してみてください。18分ほどです。

 

www.ted.com

 

 

「どんな誤解が生まれるの?」

一言で言うと、「『How』より『What』の方が大切だろ!?」という誤解が生まれました。

 

※「Why」→「How」→「What」という言葉だけを扱った際に、起こりました。

※動画を見てゴールデンサークルの主張を正しく理解すると、この誤解は起きないと思います。

 

誤解が生まれた原因を考えてみました。

 

 

誤解を生む重要な要素として、

 

「ものづくりの経験」+「プロダクトアウトは悪という価値観」(+「日本語を母国語とした直訳」)

 

という背景が透けて見えました。

 

解説します。

 

 

冒頭の誤解の言葉を意訳するとどうやら、

 

「『どうやって』作るかより『何を』作るかの方が大切だろ!?」

 

と言っていた様です。

 

「プロダクトアウト≒作れる、作りやすいものを作る」のは悪、という主張と一致します。

 

 

でも、ゴールデンサークルの『How』は、

 

『どうやって』作るかという意味では言って無さそうです。

 

では何と訳すのが適切でしょうか……

 

 

 

ぼくなりの解は、『どのような』です。

 

「『どのような』製品を作るかは、『何を』作るかよりも大切」

 

こう表現すると、ゴールデンサークルの主張(の枝葉)が、正しく伝わりそうです。

 

誤解の原因は、『How』を『どうやって』と直訳することの様です。

 

 

「誤解を減らすために要素を足してみよう」

結論から言うと、こうしました。

 

「Why」→「How」→「What」→『How2』

※なぜ→どのような→何を→『どうやって』


Howの訳を丁寧に説明するだけでも、誤解を減らせるかもしれません。

 

でも、いちいち説明するのが面倒そうだし、確実性が低そうです。

 

なので、ぼくは「どうやって」の要素を足すことにしました。

 

 

「何かを作る」経験は、誰しもおありだと思います。

 

何かの商品や、組織の方針やルール、

 

料理やDIYで家具を作ったりすることもあるかもしれません。

 

 

これらを作り終えた際、その直前に悩んでいたことは何でしょうか?

 

あるいは、解決することで一番スッキリした悩みは何でしょうか?

 

 

きっと、「なぜ」作るかではなくて、「どうやって」作るか、ではないでしょうか。

 

「どうやって」は分かりやすく扱いやすく、作ることが一段落した際に思い出しやすいので、意識が向きやすいのではないかと思います。

 

 

「どうやって」に向いた意識を誤解に繋げないために、

 

「どうやって」=『How2』は後だからね!

 

と明示する意味で、要素を足しました。


※ちなみに余談ですが、ものごとを訴求する際に『How2』を加えて伝えると、

「蛇足」と感じる人もいるので、『How2』の多くを語るのはあまりオススメしません。

※↑「こだわり」の弊害だと思ってます。また後日書きたい。

 

 

まとめ

この順番に組み替えて伝えよう、考えよう。

「Why」→「How」→「What」→『How2』

※なぜ→どのような→何を→『どうやって』

 

人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされるから。

 

 

人は忘れる生き物です。

 

過去に考えた「なぜ」を忘れて、

 

「何を」「どうやって」に囚われるのは、きっと自然なことです。

 

 

でも、人は「なぜ」に動かされるなら、

 

きっと自分も、

 

自分自身の「なぜ」に動かされるのではないでしょうか?

 

 

だとしたら、自分自身の「なぜ」を忘れないように、

 

自分にとってより素敵な自分自身の「なぜ」を見つけられるように、

 

 

毎日の始まりに「なぜ」を思い出すなり、

 

文字にして「なぜ」を残すなり、

 

口に出して人に「なぜ」を伝えるなり、

 

自分なりの忘れない工夫を、

 

行動に移してみてはいかがでしょうか。

 

 

この記事を書いたぼくの「Why」が気になった方はこちら

diver-conver-scrum.hateblo.jp

 

もっと人を動かしたくなった人へ

diver-conver-scrum.hateblo.jp