計画を優先するか、価値を優先するか
計画、お好きでしょうか。お嫌いでしょうか。人それぞれ、計画に対する捉え方は違うと思います。今回は、「生み出す価値を最大化するためにどう計画と向き合うか」というような話をしたいと思います。
計画は全てに優先する
完璧に計画を立てて、計画通り遂行することが、効率よく作業を進めて生み出す価値を最大化できる、という思想です。今の日本で仕事をする際には、ごく一般的な考え方だと思います。いかに綺麗で滞りない計画を組むか、というのが、腕の見せ所です。
綿密に全体の計画を立てる
作るべきものは何か、いつ何をどうやって作るか、段階を追って計画を立てます。対象の全てに対して、計画を立てます。
計画通りに遂行できているかを監視する
実行段階に移ると、「計画通りに進捗しているか」という観点で監視していきます。計画と乖離が出た際には、その原因を探り、どうすれば計画通りに進捗を戻せるか、ということを一番に考えます。(進捗を取り戻すことが難しければ、計画を見直すことも当然あります。)
使いどころ
何をすべきか全て見通せている場合は、全てを計画してその通り進める方が、早く全てを終えられるでしょう。最短距離で高速巡行するイメージです。
計画もするが価値を早く出すことを優先する
計画は立てるが、早めに価値を出し続け、価値と労力のバランス(ROI)を最大化する、という思想です。いかに価値の高い作業を早めに詰め込むか、というのが、腕の見せ所です。
価値の高い作業に絞って計画
作りたいものは何か、それぞれのもたらす価値は何か、という全体感を見通した上で、作る優先順を決めます。まず次のフェーズ(1週間~4週間の短い期間)に何を作るか、優先順の高い方から選びます。選んだ対象だけを、どうやって作るか、計画を詳細化します。選んだ対象を作り終えたら、また次の対象を選びます。次の対象を選ぶ際、その時点での優先順を改めて確認し、必要に応じて優先順を見直します。定期的に「今何が優先か」を見直すため、その時点で必要なものに集中することができ、不要なものを作る可能性も減ります。
単位時間に生み出した価値を計測
実行段階に移ると、「単位時間にどの程度価値を生み出したか」を計測していきます。計画との乖離も確認しますが、「スケジュールの遅れ」ではなく「生産性が安定しているか」という視点で確認します。単位時間に生み出した価値が安定していない場合に、その原因を探り、原因を取り除くことで、「生産性の安定」をはかります。
使いどころ
何をすべきかすべて見通せない、複雑で不確実なことに取り組む場合に、価値の高いことに集中して取り組めるでしょう。短距離を全力疾走して、休憩中に次に進む方向を見定めて、また短距離走を全力疾走して、というイメージです。
おわりに
個人の好みや向き不向きもあると思います。ただ、これからの時代は、価値を出すことに集中した方が、良い結果も生まれると信じています。また、「これ無駄だなあ」と思う取り組みが減る分、取り組む人の心にも良い影響をもたらすと感じています。
おわり。
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