発散と収束のあいだ ~ダイコンスクラム~

働き方改革?生産性向上?そんなことよりまず全員が幸せに働ける世界にしよう。「チーム」「信念」「感情」この3つの大切さを日本中に広めたい。思考と感情をダンプし、自分の輪郭を明らかにする。心理的安全性を高める哲学とか解説ポエムとか、アジャイルなマインドとか

【メタファ小話】計画駆動とアジャイル

(この記事の前フリはこちら)

diver-conver-scrum.hateblo.jp

 

スクラムマスターのぼくが、

 

VUCAを解説するシリーズです。

 

 

今回は、

 

大量生産時代に隆盛を誇った

 

「計画駆動」のプロセスと、

 

VUCAの時代に必要だとされる

 

「価値駆動」のプロセス

=「アジャイル」を、

 

ゴルフのプレーに例えることで解説します。

 

 

 

計画駆動

ゴルフのナラティブ

時は、1980年。ゴルフと言えば、普通のゴルフ。

 

コースマップはほぼ誤りなく描かれているし、カップまで見通せるホールもしばしばある。日によってカップの位置は変わるが、カップは1ホールに1つだ。

 

良いキャディがいて、良いクラブセットを揃えた。みっちり練習もした。

 

1打目はどこに打とうか。まずはカッ飛ばす。シミュレーションもバッチリしてきた。練習通りのスイングさえ出来れば、良いスコアが出せるはずだ。

 

計画通り、練習通りできれば大丈夫。使い慣れたクラブは、自分の思う通りの仕事をしてくれるはず。わたしは、おおきく振りかぶって、ビッグショットを狙った。

 

(解説)

人々の常識が、人によってさほど違わなかった時代。

 

10年先の世の中は何となく見通せたし、数年先にやるべきことは見えていた。達成すべきゴールも、明確。

 

その業界に詳しい専門家がいて、優秀な部下も揃えた。自分はずっと同じ仕事を続けてきて、経験は豊富。計画も予測も万全。

 

少ないコストでゴールに近づくことが大切だ。ミスさえなければ、成果は約束される。

 

部下は、計画と指示に従うのが仕事だ。とにかく計画を、速やかに遂行していく。幹部が決めた目指すところへ、真っ直ぐ、出来るだけ近づけるように。

 

価値駆動

雲海ゴルフのナラティブ

時は2020年。ゴルフと言えば、雲海ゴルフ。

 

コースマップなんてありゃしないし、カップなんてどこにあるのか全く見えない。そもそもカップがいくつあるのかも分からない。足場が良く打ちやすいところだって、そうそう無い。

 

腹をくくって、南を目指すと決めた。少しでも暖かい方がいいかと思って。チームメンバに決心を話した。少し時間はかかったが、対話を通じて、皆で南東へ向かうことに決心した。

 

良いキャディ?良いクラブセット?いやいや、何をもって、「良い」って言えばいいんだよ。こんな山奥で、霧もかかっていて、足場も悪ければ見通しも悪いのに。ルールだって、あるのか無いのかよく分からないし。木を切っちゃいけない、なんてことが思い込みだったこともあった。常識ってこわい。

 

「でかい扇風機で霧吹き飛ばしますよ!」

「ドローン飛ばして上空から状況見ます!」

「足場悪いから、何か敷きますね」

「あの木の枝邪魔ですよね?切ります!」

「届かないだろ?肩車するよ!」

「みんな喉乾いてないか!?」

「もう、ボール投げちゃおうよ!」

 

やっぱりうちのチームは最高だ。自分からやるべきことを見つけて、貢献できることを探して、必死に支え合ってくれる。

 

「ありがとう!」

 

わたしは皆に心から感謝した。ボールに一番近くにいたメンバが、スッと、少し先へ、ボールを打った。良いところに飛んだかは、結果を見るまで分からないけれど。でも大丈夫。何かあっても、やり直せば良い。このチームなら何があっても、新しい力を得ながら、乗り切れるはずだ。

 

(解説)

人々の常識が、常識として通用しない時代。

変化の激しい、多様な時代。

 

10年先どころか、1年先がどうなっているかも、なかなか読めない。自分たちが達成すべきゴールも、よく分からなくなる。

 

自分たちで考えて、自分たちで目指すゴールを決める。確信が無いと、先に進めなくなるから。誰かから言われたことをやっていると、くじけてしまうから。

 

過去の実績?学歴?何を持って、優秀と言えるのか。明確な基準なんて、見当たらない。何が起こるか分からないから。

 

起こったことに対処できる様な、多様性が必要。変化を許容する心が必要。支え合える仲間と、皆が持ち味と力を発揮できる心理的安全性が必要。自律的なチームが必要。

 

素早く決断し、素早く実行する。見えている範囲で、少しずつ前に進む。失敗するのは当たり前。結果を確認しながら、トライアンドエラーで進める。必要だと思うことがあれば、チームで学習しながら、諦めずに前に進んでいくことが必要。


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小回り大事。

 

おわりに

勢いだけで書いてしまいましたが、

 

なんだこの記事……

 

でも、世に出すことへの反省はしていない。

 

出た結果に対しては、反省します。

 

トライアンドエラー

 

5つの価値基準

アジャイルの代表的手法である

 

スクラムには、

 

5つの価値基準を大切にせよ、

 

という教えがあります。

 

「Commitment」献身

「Focus」集中

「Respect」敬意

「Openness」開かれた心

Courage」勇気

※ぼくの意訳含む

 

この5つを大切にしながら、

 

VUCAの時代を乗り切っていきたいです。

 

Be Agile!

 

(本記事のストーリーはフィクションです)