発散と収束のあいだ ~ダイコンスクラム~

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ジョジョを『人間讃歌』と呼ぶべき12の理由と13の根拠

今回のテーマは、「ジョジョの奇妙な冒険を『人間讃歌』と呼ぶべき12の理由と13の根拠」です。

 

骨子はこんな感じ。

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ぼくは、ジョジョの奇妙な冒険(以下、ジョジョ)を愛してやみません。

 

そんなぼくですが、ひとつ、大事なことが腹に落ちていません。

 

『人間讃歌』ってなに……?

 

そんな自分の疑問に答えるべく、

 

また、全てのジョジョファンの悩みに答えるべく、

 

自分なりの分析を記したいと思います。(おおげさ)

 

 

ちなみに、ぼくと似た発想で分析している方の記事がコチラ↓。

リスペクト。荒木先生の公式見解?も引用されてます。

www.arupakano.com


こちらの「アルパカさん」がボスの価値観っぽい部分に焦点を当てているのに対し、

 

ぼくは、スタンド能力やシナリオの観点でも、論じます。

 

この記事で伝えたいこと

は、2つです。

 

「人間ならざるものは讃えない」

ジョジョに描かれる人間像を大まかに捉え、人間の対になる概念をあぶり出したいと思います。

 

「人間讃歌は、生命が時空を克服する物語」

1~6部をそれぞれ象徴する名言やシーン、スタンド能力を元に、ジョジョを通じて描かれている『人間讃歌』の要素を紐解き、『人間讃歌』と呼ぶべき理由を明らかにします。

 

荒木先生の公式見解は度外視で分析します。

 

なんなら、荒木先生も言語化していない深層心理に近づけたらいいなあ、という心意気です。

 

※以降、ネタバレ注意です。

 

人間ならざるものは讃えない

「人間讃歌」は、ジョジョ第一部に出てくる一節で、ゾンビと戦うツェペリ男爵の名ゼリフに含まれます。

 

人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!!
人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!


いくら強くてもこいつら屍生人(ゾンビ)は「勇気」を知らん!

 

ここで人間の対になっているのは、「勇気を知らないゾンビ」ですね。

 

何故ゾンビは勇気を知らないのでしょうか?

 

きっと、不死だから、なのではないかと思っています。

(正確には条件付き不死、ですが)

 

人間は、いつ死ぬか分からない恐怖と戦うために「勇気」を知ったのではないでしょうか。

 

また第二部では、究極生命体という良い意味でも悪い意味でもやばい3人が出てきます。

 

この人?たちも条件付き不死です。

(1人は無条件不死になり、「勇気」という言葉が本当にそぐわない感じになります。)

 

 

第三部以降は少しずつ雰囲気が変わりますが、

 

「讃えられて描かれる」側

「讃えられず描かれる」側

 

のキャラクター像は、全体的に以下の特徴で描き分けられていると感じます。

 

人間「讃えられて描かれる側」
  • 『限りある』命を受け入れる
  • リズム(波紋の呼吸や、葛藤と覚悟)
  • 継承(ツェペリやジョースター『意志』)
  • 道(切り開くもの)
  • 信念(譲れない何かがある)
  • 勇気・挑戦(立ち向かう、リスクを取る)
  • いつくしみ(母親へ、親族へ、仲間へ)
  • 喜び(だいたいワイワイやってる)
  • 優しさ(最も優しいスタンド)
  • 憤り(理不尽に対して、無情に対して)
  • チーム(自己犠牲、見捨てない心『利他的』)
  • 『黄金の精神』

 

非人間「讃えられず描かれる側」

※四部以降は人ですが

  • 『永遠』に執着する
  • 単調(ひとつの価値観に執着)
  • 一代限り(永遠にも関連)
  • 道(追い求めるのみ)
  • 絶対的安定(磐石にする、リスクを避ける)
  • 苦しみ(を与える)
  • 喜び(だいたい冷笑か、高笑い)
  • 孤独・独裁(自分中心『利己的』)
  • 『無彩色、無感情(情動)』

 

人間讃歌は、生命が時空を克服する物語

ここからは、1~6部の名言をピックアップして振り返り、

 

『人間讃歌』の理解をさらに深めたいと思います。

 

第一部 ファントムブラッド

フフフ…この「痛み」こそ「生」のあかし この「痛み」あればこそ「喜び」も感じることができる これが人間か………………
(ブラフォードが蒸発する直前)

 

初っぱなから、ゾンビのセリフですみません……

 

ですが、言っていることはぼくが挙げた「人間側の特徴」と一致する感じがしませんか?

 

命に限りがあったり、痛みや恐怖心があるからこそ、喜びをはじめとした豊かな感情や精神が育まれる。

 

それこそが人間だと、教えてくれているようです。

 

ゾンビですけどね。

 

第二部 戦闘潮流

おれが最期にみせるのは、 代代受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ! 人間の魂だ!

JOJOーーーーおれの最期の波紋だぜーーーーうけとってくれーーーーッ

(シーザー・ツェペリ最期のセリフ)

 

ベタ過ぎてこれを挙げて良いか迷いましたが、やはり外せないこのセリフ。

 

限りある命、継承、自己犠牲、勇気、挑戦、道を切り開く……『人間讃歌』の全てが凝縮されたと言っても過言ではない、名シーンだと感じます。

 

第三部 スターダスト・クルセイダース

おれは「恐怖」を克服することが「生きる」ことだと思う

世界の頂点に立つ者は!ほんのちっぽけな「恐怖」をも持たぬ者ッ!わかるかエンヤ婆?

ディオ・ブランドー

今までなら読み飛ばしていた、この名言。

 

今は違って見えます。

 

ほんのちっぽけな「恐怖」を持たぬものは、もはや人間ではないと感じます。

 

「恐怖」を克服しようとあがき続けるのが、人間なのではないでしょうか。

 

やれやれ…

犬好きの子供は見殺しには……

できねーぜ!

(イギー、犬好きの子どもの危機を前にして)

 

このセリフにたどり着くまでのイギーも、「恐怖」と戦っていました。

 

「犬好きの子供は見殺しにできない」という優しさや信念、そこから湧く勇気、

 

これらがあるからこそ、「恐怖」と向き合いながら、戦えたのではないでしょうか。

 

犬ですけどね。

 

第四部 ダイヤモンドは砕けない

おまえに味方する「運命」なんて

おまえが乗れるかどうかの「チャンス」なんて

今!ここにある「正義の心」に比べればちっぽけな力なんだッ!

確実にここにある!!

今確かにここにある「心」に比べればなッ!

川尻早人吉良吉影を追い詰めて)

 

「運命」「チャンス」なんて、「心」に比べればちっぽけな力。

 

このセリフにも、「人間讃歌」の匂いを感じます。

 

環境のせいにせず、抗えない力のせいにせず、自らの信念を持って道を切り開いていく。

 

これこそが人間だと、ジョジョは教えてくれます。

 

ちなみに第四部で初めて『黄金の精神』という言葉が登場します。

 

ここで言う「心」は、『黄金の精神』と言い換えても良いと思っています。

 

第五部 黄金の風

このジョルノ・ジョバァーナには、正しいと信じる夢がある

(ジョルノ)

 

『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!

(ジョルノ)


夢や覚悟、意志。

 

どれも、『人間讃歌』『黄金の精神』であり、

 

道を切り開くための力の源泉として、描かれていると感じます。

 

ジョルノは「自分には夢がある」と幾度となく口にし、

 

ジョルノとブチャラティは「覚悟があるか」を問い続けます。

 

自分には夢と覚悟が本当にあるか、自答したくなります。

 

「私は『結果』だけを求めてはいない 『結果』だけを求めていると人は近道をしたがるものだ……近道した時真実を見失うかもしれない」

「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている」

「おまえの真実に『向かおうとする意志』はあとの者たちが感じとってくれているさ 大切なのは……そこなんだからな……」

(『ジョジョの奇妙な冒険』第59巻より アバッキオの元同僚の警官)

 

『意志』が『継承』されていく瞬間が描かれた、名シーンですね。

 

『結果』に対する効率化を重視する風潮を感じる昨今、

 

改めて「真実に向かおうとする『意志』」を大切に出来ているか、

 

考えさせられます。

 

 

第六部 ストーンオーシャン

徐倫のことを考えると勇気がわいてくる

これこそが「思い出」なんだ・・・これが「知性」なんだ

フー・ファイターズ最期のシーン)

 

「勇気」は他者との思い出から産まれるもの、

 

また、他者との関係性から「知性」も得られると、教えてくれるセリフです。

 

プランクトンですけどね。

 

 

おまえは『運命』に負けたんだ!

『正義の道』を歩む事こそ『運命』なんだ!!

エンポリオ、ラストバトルでプッチ神父に対し)


第四部のセリフと、通じるものがありますね。

 

ここで言う『正義の道』は、徐倫やウェザーから継承された意志や力であり、

 

ここでも『黄金の精神』の片鱗を感じさせてくれます。

 

※「(ぼくは)運命に勝った!」と言っていた第四部と、

「お前は運命に負けた」と言っている第六部、

 微妙な言い回しの差が気になります。

 荒木先生の心情に変化でもあったのでしょうか?

 ご本人に聞いてみたいところです。

 

敵味方の能力の比較

第一部、第二部  波紋 vs 不死

「呼吸=生命=限りある命」が「不死=無限の時間」に抗う物語、という側面があると思っています。

 

第三部  最も早く精密な動作 vs 時間概念を超越

「現実世界における究極のチカラ」が「現実世界を越えたチカラ」に抗う物語、という側面があると思います。

 

※まあ、最終的には時止めちゃうんですけどね……

 非人間の「チカラ」にはやっぱ勝てないよね、という本音が漏れてしまったのか。

 

第四部  壊れたものを治す vs 爆破+時を巻き戻す

「利他」が「利己(自己中)」に抗う物語、という側面があると思います。

 

※自己中って書くと、陳腐ですね……吉良吉影ファンに怒られそうだ。

 

第五部  生命を作る+終わりがないのが終わり vs 時を飛ばす

「生命の制御」が「時空の制御」に抗う物語、という側面があると思います。

 

※最終的に「時空の制御?」結果にたどり着かない、という能力出ちゃうので、

 やっぱり素では勝てないのか……

 

第六部  自身を糸として飛ばす vs 時を加速させる

「生命の制御」が「時空の制御」に抗う物語、という側面があると思います。

 

結論はこの切り口では語り切れず、ぼくには今のところ言語化できる解釈もありません……難解六部。

 

まとめ

全体を通して改めて気付いたのは、

 

『人間じゃない何か』を通して、『人間讃歌』を強く訴えかけるシーンが意外に多い」ということです。

 

もしジョジョをお読みになる際には、『人間じゃない何か』の言動に注目して読んでみても、面白いかもしれません。

 

 

また、ぼくの信念「感情を出す」「チームで働く」「信念と夢を大切に」は、『黄金の精神』と根っこが繋がっていると感じました。

 

だからこんなにも熱狂するんだと。

 

 

最後に、ぼくは最近、自分に特殊能力(スタンド)が発現したと感じています。(中二病

 

勢いで全てをこじつける力

スタンド名「Force Connectivity」

 

全体的に、こじつけ臭がすごいと思いますが、ご容赦ください。

 

 

見方によって色んな解釈が出来るジョジョ

 

ストーリーを勢いで乗り切る感のあるジョジョ

 

ああ、愛が溢れてなりません。

 

 

長々と最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました!

 

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荒木飛呂彦先生、

LUCKY LAND COMMUNICATIONS

への感謝を込めて。